【艦これ】時雨…私製艦娘型録014

七草です。我が艦隊の艦娘を、着任順にこれでもかと紹介する私製艦娘型録、No.014となりました。白露型駆逐艦の2番艦、時雨さんです。後に紹介するだろう雪風と並び称させる幸運艦でもあります。

画像は本日現在の時雨の様子。装備ボーナスの付く「12.7cm連装砲B型改四(戦時改修)＋高射装置」と「12.7cm連装砲B型改二」の混載です。B型改二の方もC型とかにしてあげたいところですが、なかなか手が回りません…＾＾；。

また、2017年秋イベントでスリガオ海峡に挑んだ、時雨を含む西村艦隊の面々は、全て増設補強済みです（そうするに足る激戦でした）。空きスロット及び増設スロットには状況に応じて電探・魚雷・機銃・見張り員などを載せます（イベントのラストダンスなどでは、3スロット全て魚雷という時も）。

落ち着いた雰囲気の静かな艦娘

時雨は、邂逅時から「僕」という一人称で訥々と語る様が特徴的な艦娘です。その名の通り、落ち着いた、あるいは陰りすら帯びた印象を、私は受けました。

時雨沼とは言い得て妙

艦娘としての実力は、少なくとも通常時や「改」状態では平均的なものと思われます。七草艦隊では先に着任した艦娘の育成に追われ、しばらくは遠征などをお願いすることが多かったです。

しかし、穏やかでありながらも少し寂しそうな彼女のたたずまいは、深く印象に残りました。そうした、時雨の湿度を含んだ魅力を、世の提督は「時雨沼」と表現することもあるようですが、この沼にはまった提督が多いことは、下の方で紹介するフィギュアの数などを見ても明らかです。

改二実装、そして決戦へ

2013年10月23日に改二が実装。比較的初期に実装されたことになりますが、私の艦隊では先述の響（ヴェールヌイ）と五十鈴の集中錬成で手一杯で、彼女を改二にするのは少し後のこととなりました（はっきりとは覚えていませんが、2013年秋の鉄底海峡イベには間に合わなかったと思います）。

改二となった時雨は、「運」も大きく上昇し、夜戦における魚雷カットイン（「運」の値によって発動確率が上昇する、一撃必殺的な特殊攻撃）も実用的になりました。私の艦隊ではあまり機会がありませんでしたが、他提督の艦隊では、イベントで彼女がフィニッシャーになるところを幾度も目にしました。

ただ、彼女が秘めた思いのたけをぶつけるには、さらに4年ほどの時を要しました。2017年の秋イベント。それこそが、時雨の喪失感の根源となった史実を元とするものだったからです。

時雨が見てきたもの

史実において、駆逐艦・時雨が見たものとはどんなものだったのでしょうか。艦娘としての彼女の性格を決定づけてしまうほど、それは重たいものでした。

因縁のスリガオ海峡

時雨という駆逐艦は、多くの戦いに参加しています。幸運艦という呼び声の通り、長く生き残ったわけですが、裏を返せば、それは多くの仲間が沈むのを見てきたということ。艦娘としての彼女の、どこか達観した物言いは、そのとき抱いた無常観も遠因になっていることでしょう。

そんな中、ひときわ彼女の傷痕となっただろう戦いが、スリガオ海峡海戦と思われます。第1遊撃部隊第3部隊（西村艦隊）の一角として参加した時雨でしたが、7隻いた仲間のなかで、生還したのは彼女だけ。この時の僚艦である戦艦扶桑や山城の戦いぶりが如何に壮烈だったか、それは「図鑑」で艦娘としての彼女が語っているところでもあります。

こうした悲劇を幾つも体験して、しかも自分ひとりが生き残ってきたとしたら、時雨のような性格になるのも頷けます。そんな彼女も無念がつのるであろう西村艦隊の悲願、スリガオ海峡を越えるという意思をモチーフにしたのが、先述の2017年秋のイベントだったというわけです。

印象的な台詞

時雨の言葉で印象的なものは幾つもありますが、1つ挙げるとするならば、やっぱり、スリガオ海峡イベントに関するものを選ばざるを得ません。あまりにもど真ん中過ぎて、敢えて外すべきかとも考えましたが、やはり外せませんでした。

扶桑、山城、最上、そして、満潮、朝雲、山雲も。…みんな…本当に、ありがとう。…よかった。提督、止まない雨はない…ね。ありが…とう！（2017秋イベントE-4：スリガオ海峡突破時）

前述のイベントを突破した際、扶桑姉妹に続いて、時雨が上記の台詞を語ってくれます。彼女の精神に降り続いた氷雨が、ついにあがった瞬間でした。聴いているこちらも、目から熱いものが滴り落ちました。

時雨に関する二次創作やフィギュアなど

時雨についての二次創作やフィギュアについても語りましょう。二次創作もフィギュアも多数あり、二次創作は1つを選ぶのが大変でした。

ボロボロの笑顔での帰投

ここまで、ほぼスリガオの話一色になってしまいましたが、二次創作についてもやはりスリガオ海峡での戦いを題材とした1作を挙げましょう。

「艦隊が、無事帰投したね」 pic.twitter.com/1mujnck2RD

— ゴウタ (@N_gouta) October 25, 2014

上記は2014年10月の作。従って、当時未実装だった西村艦隊の構成艦である朝雲と山雲は描かれていません。

それでも選んだのは、過去の悲劇を乗り越えて生還した艦娘たちの表情が素敵だったからです。激戦で散々な目にあったのでしょう、ボロボロではあります。しかし、微笑んだ表情からは、勝利と、共に帰還できる喜びが伝わってきます。朝雲・山雲も揃った現状でのリボーンが望まれるイラストです。

時雨のフィギュアは大豊作

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以下、妄想

安倍公房の『砂の女』を踏まえて言うと、時雨は“雨の女”と言えるかもしれません（とか言いつつ、私はあの小説未読なんですが。あくまでイメージです＾＾；）。あるいは「時雨沼」の言葉通り“沼の女”でしょうか…。彼女にその気があるとないとにかかわらず、静かに包み込まれて、魅入られそうな。そんな気がします。

そういえば、先日（2020年4月8日）、自室での自粛を語った「2020共に乗り越える」台詞が彼女に実装されました。図らずもこの台詞には、上記のような時雨の印象を助長する面があると思います。

それにしても、時雨となら、腐らずに自粛生活を続けられそうです。口数は少ないと思いますが、それは心地よい沈黙になることでしょう。

アニメを待ちつつ、ともに困難を乗り越えたい

時局に沿った上記の台詞の追加は、時雨の声を担当するのが運営に近いタニベユミさんであるという事情もあったことでしょう。しかし一方で、長らく辛い過去を抱え、遂にそれを越えた時雨に、「一緒にがんばろう」という言葉は、まことに似つかわしいとも言えます。

今般の新型コロナによって、いつ放映かはいよいよ不透明な『艦これ』2期アニメ（個人的には「再アニメ化」の方がしっくりくるような）ですが、その主人公となる時雨がそうであるように、きっと困難を越えて観られる時が来ると思っています。

そしてそれは、いま世の中が遭っている困難についても同様です。時雨の台詞を思い出し、今は不要不急な外出はするまいと、気持ちを新たにする毎日です。