七草です。私製艦娘型録No.042は、睦月型駆逐艦9番艦の菊月さんです。睦月型は三日月以来(そういえば三日月改に大発乗るようになりましたね^^)、6人目となります。
画像は、本日現在の菊月の様子です。「10cm連装高角砲」2基という限りなくベーシックな装備ですね。出撃時は空きスロに電探や機銃など、遠征時はドラム缶を載せてもらいます。
長月と双璧をなす睦月型の武人枠
いずれも9月の異名という共通点があるすぐ上の姉・長月と、割と似た雰囲気の艦娘だと思います。一言で言うと“武人”と言いますか。
ただ、台詞からすると、長月はどちらかというと熱血タイプだけど、菊月はクールな仕事人タイプかと。何となく影がある感じがするのは、後述の史実によるものでしょうか。
遠征にかけた錬成時代
菊月の能力は、標準的な睦月型のもの。そのため、加入して即大活躍、という風にはなりませんでした。演習・遠征といった地道な活動が、彼女を成長させたと言えます。
菊月に限った話ではありませんが、睦月型は燃料・弾薬の消耗が少ないという強みがあります。睦月など「改二」が実装された娘たち(と「改」の三日月)は「大発動艇」が載るためまた別格ですが、それ以外の睦月型も遠征にうってつけ。菊月もまた「東京急行」などのエース格でした。
勝手知ったるショートランド沖
菊月の面目躍如たる場面の1つは、2015年の夏イベント「反撃!第二次SN作戦」の際に訪れたと言えるでしょう。E-1「【主作戦】ショートランド沖」で、彼女を編成に含む艦隊は、道中1戦でボスへと直行するルートが用意されていたのです。
このショートランド沖(≒ツラギ島近隣)は、史実において駆逐艦・菊月が擱座、放棄された場所だと言われます。その記憶を継承する艦娘・菊月は、迷うことなく敵本拠に向かうことができる、という設定なのだと拝察しました。
ともあれ、同海域は菊月にとって厭わしくも懐かしい場所だったことでしょう。ルート固定に戦闘にと、地の利を知る彼女は大いに活躍してくれました。
菊月の心境を知る
菊月の能力的な面については、以上でひと通り書き記せたかと思います。次は彼女の内面について考えてみましょう。最初に述べた「何となく影がある感じ」とは、ショートランド沖で座礁した史実に関連があると私は思っています。
ツラギに朽ちた菊一輪
かの地で駆逐艦・菊月が擱座し、そののち放棄されたのは1942年5月のこと。つまり、その後の大きな戦いに、菊月は参加できなかったことを意味します。存分に戦えなかったというそのことが、心残りとして艦娘・菊月の胸中にわだかまっているとしても、奇妙ではないはずです。
駆逐艦・菊月は、長らく現地に姿をさらしていたそうですが、2015年に「菊月保存会」という有志の団体によって、その第四砲身が日本へと還ったと聞きます。こうした活動は、艦娘・菊月にとっても、その屈託を軽くするものとなったのではないでしょうか。
印象的な台詞
上記のような思いが、艦娘・菊月に必要以上の武人然とした物言いをさせているのだと、私は思っています。素の彼女がどういう少女なのかを示す台詞として、以下のものを挙げましょう。
うぅっ…なんなのさ、一体……(母港)
母港でしつこく彼女に話しかけると返ってくる反応です。平生とは少し違う印象ですね。他にも中・大破しての入渠時にも、本音を晒すようなことを口にします。
つまり、本当の彼女は、割と年相応の女の子なのではないでしょうか。それを示す意味で、上の台詞は貴重なものだと思います。
菊月の二次創作やフィギュアを探る
菊月についての二次創作や、フィギュアについてはどうでしょうか。それぞれ見てみましょう。
彼女はそこに居た
菊月の二次創作は(というか公式の作品でもそうですが)、すぐ上の姉で9月繋がりの長月や、史実でも行動を共にしていた皐月とともに描かれることが多いようです。
それと、先述した史実での最期に絡めた作品も幾つか。ここに挙げる作品も、史実で擱座した場所についてのイラストです。穏やかな表情の菊月ですが、その場の寂寞とした印象に、なんとも感傷を誘われます。
「今もこの菊月が共にいる・・・」 #艦これ版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負 #艦これ版真剣お絵描き60分一本勝負_20170209 pic.twitter.com/xv1DJzbPQ5
— さつき晴伸 (@mastersgthiro) February 9, 2017
菊月のフィギュアは、商用では無さそう
菊月を立体化したフィギュアは、ざっと探した感じでは少なくとも商業ベースでは無さそうです。しかし、個人レベルで「ねんどろいど」を制作した猛者も存在する模様。以下にリンクを貼っておきます。
この菊月ねんどろいどは、市販の他のモデルの部品を組み合わせ、塗装や細部の調整を施したものだそうで。「ここまでできるのか」と唸らされる完成度だと思います。
以下、妄想
長月とは竜胆を見ながらお月見な妄想をしたわけですが(→【艦これ】長月…私製艦娘型録004-ワレハgdgd快楽主義者)、菊月は名前にもある通り菊ですかね。…と思っていたら、9月に菊と言えば、「菊酒」という立派な年中行事(?)があることを思い出しました。
花札の絵柄にもなっている「菊酒」ですが、その製法は色々あるようで。単に菊の花びらを浸した水で仕込んだ酒、梅酒のように焼酎に氷砂糖と寝かせた菊の花弁を漬け込み寝かせたもの、などと言われますが、ここは蒸した菊の花びらと冷酒を器に入れ、一晩おいたもの説を採用。
カウンターバーの動向を見るに、菊月は睦月型では(というか駆逐艦全体でも)珍しい日本酒がいける口のようですし(ちなみにもう1人はウィスキーをたしなむ如月)。9月9日の重陽の節句には、彼女と菊を見ながら菊酒でしょう。酒を呑みながら、ぽつりぽつりと、己がことを語ってくれるかもしれません。
今度は置いてなんていかない
母港でそのまま何もしないでいると、秘書艦の「放置ボイス」を聴くことができます。真面目に待機する者、ふてくされる者、自由時間だと勝手に何かを始める者と色々なのは、提督ならご承知でしょう。
そして、菊月のそれは、要約するに「置き去られるのには慣れているので、気にするな」というもの。史実での最期を踏まえたものでしょう。しかしその後に言いよどむ様子から、例えば戦闘中に同じことを言われて、放っておけるわけがありません。
史実で味わったのと同じ辛さを、私は艦娘の誰にも味わわせたくありません。菊月が「置いていけ」と言ったって、必ず連れて帰って、全面バックアップの上、彼女の活躍を支えてやらなければ、と思います。
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